くだまきあーと

擬似よっぱらいOLがくだをまく、余生の日記。

【感想】幸せとの向き合い方を描く『コーポ・ア・コーポ』

先日、駆け込みで観に行った映画「コーポ・ア・コーポ」。

手元にTOHOのチケットがあり、なんでも1本無料で鑑賞できるということで、この日観られる映画、と決めて候補を出しました。

ゴジラ」「君たちはどう生きるか」「ロイ・ハーグローヴ」「ぼくは君たちを憎まないことにした」「私がやりました」そして「コーポ・ア・コーポ」と候補を出し、時間的余裕を鑑みて「コーポ・ア・コーポ」に決定。他の映画よりも少々短くて、仕事帰りに観やすかったんです。

そんなわけでほぼ初めて、「TOHOシネマズ日比谷」に行きました。

TOHOシネマズは地元にあまりないので、今までは東京で映画を観るときに限ってあちこちふらふら行っていました。大学の帰りなどの都心に用があるときは六本木や上野に行ってたかな。今の職場が丸の内なので、職場からも近くて終電を気にせず自宅にも帰りやすいTOHOシネマズとなると、渋谷か上野か日比谷とシャンテ(日本橋はちょっと不便そう)になっていました。日比谷は大手町からも1駅で行きやすいし、帰りやすいしと思って日比谷へ。日比谷に行くのは初めてでしたが、イルミネーションが素晴らしかったです。同じTOHOシネマズのシャンテが近くにあるのですが、街の雰囲気も相まって外国のチケット売り場のようでした。あちらはフランス映画メインっぽいですね。
日比谷、平日18時ごろというのにあまり人気がなく、カフェなども空いていてよかったです。周りにオフィス街とかないんでしょうかね?

 

これまた大きなアメリカ風のショッピングモールの上にあるTOHOシネマズ日比谷。その小さなスクリーンで、「コーポ・ア・コーポ」を鑑賞しました。

copo-movie.jp

これ、HPのあらすじに書いてあるストーリーがまんまそれ、なんですよね。結末まで一緒!

せっかくもらったチケットだから無駄にしたくなくて、本当はハリウッド大作映画を鑑賞したかったんですが、なんだかなかったんですよね。ストの影響、とも聞いたんですが、とりあえず観たいものはなかったので、ほぼ邦画しか選択肢ありませんでした。
でも、最近ハリウッド大作映画も疲れちゃったなぁ。なんだか、いつもワクワクを求めているわけじゃないですし。だってさ、疲れるじゃん。毎日仕事して、休日も頑張っててさ。ワクワクも大事。でもそれ以上に、自分の心と身体を守りたい。最近のわたしはそんな気持ちでした。

しかしこの作品は、強い苛烈なメッセージを残すハリウッド大作映画とは異なり、日常を切り取って、淡々と紡がれる物語。それが妙にリアルで、しかし詩的で、没入感がありました。

 

内容は各登場人物に焦点をあてた、4~5つの短編から成り立つ映画です。主人公は馬場ふみかちゃんですが、他の登場人物がメインのときは、背景と化すという。ただ、主軸には添えられています。綺麗な金髪とだるっとしたファッションが、いかにも下町風の女の子で可愛かったです。
それから、全体的に「アメリ」っぽい気がしました。音楽もフランスチックかな?いかにも日本の風景、しかも大阪のごちゃごちゃとしたレトロな街なんですが、それが妙にオシャレでした。「癒しの映画」というべきかな。目に優しくて、わたしにも優しい映画でした。

そりのあわない母とふと出くわしてしまったこと、普段関わりのない清純な女性と知り合ったこと、弟の彼女が妊娠したこと、その他色々の日常に潜む「ゆらぎ」があります。でも、ひとつひとつ向き合ってみれば、「あれっ、なんだかいい感じだぞ」とうまいこと転がっていく。なるようになるさ、とでも言わんばかりに、登場人物の心を波立たせる「ゆらぎ」が、少しずつ凪いでゆく。水面が波打って、しかし大きく広がったら、「ぽしゃん」という間抜けな音を立てて途端に穏やかになる。登場人物に降りかかる人生のそのさまを、わたしは映画のスクリーンを通してまじまじと見届けました。

でも人生ってそんな感じ。ゆる〜い感じ。でもそれでいいんじゃん、という映画。わたしもお寿司を食べながら、幸せを噛み締めて、今日も生きていきます。

きっといいことあります。これからも。

 

***********

そうそう、キャスティングで言えば、チケット買ってからこれ東出でてるじゃん!」という驚きがあり、東出の演技もお手並み拝見と謎の上から目線で観ました。東出の演技、すごい苦手だったんですよ。あまり声が良くない(こもり気味)から、滑舌がいいとは言えず、なんだか画面から浮いていると思うことが多かったんですね。それがちょっとだけましになってました。何を考えているのかわからない社会的に言えばクズの役も良かったですね。当面はこの路線で頑張るんでしょうが、こういう作品に恵まれていれば、いつかはまたチャンスがやって来そうな人だと思いました。

 

話は変わって、今日はお仕事お休みです。「SPYxFAMILY」をプレミアシートで観に行きますが、明日は「ゴジラ」の2回目(初4DXで)と「君たちはどう生きるか」を初めて観に行きます。ゲゲゲも面白いらしいし、邦画とアニメが良作いっぱいで迷っちゃいますね。クリスマスイブは予定を入れられなかったので(日曜ですし、有馬の抽選外れたし、仕事の疲労が凄まじくて人とは会いたくないし)、静かに過ごしますが、それまでの二日間は全力で駆け抜けます笑

もう直ぐ年末。CDJリセールも思いっきり外して落ち込んでいるさなかですが、これは神仏の思し召しに違いない。たぶん「勉強しろ。さもなければ公募原稿を書け」とでもおっしゃっているんでしょう。

がんばります。