アメリカには散々行ったことがあるけど、そういえばヨーロッパって行ったことがないな…。
というところから始まったスペイン旅となります。
タイとかはツアーではなく、自分たちで行き先を決めた気まぐればったり旅でしたが、ヨーロッパって治安とかちょっと不安だよね…となり、初めてのヨーロッパはツアーで。
おかげさまで、ちょっぴり大変だったけど楽しい旅になりました!
都会を感じるバルセロナ。
首都はマドリードなのですが、バルセロナも大きな街で、ビジネス目的と思われる方々もたくさん右往左往していました。観光客も多く、団体客もちらほら。「スペインの観光客でアジア人は1割しかいない」と聞いたことがありますが、それも納得の、ヨーロッパ系の観光客の多さです。同じ欧州から来ているような人はもちろん、話している言葉が明らかにスペイン語、と言う人もいて、国内観光客も多いと思いました。日本も割とそうですが。
都会だな〜と感じた一方で、街のあちこちに隠れ見られる美があり。とっても見どころのある街でした。
スペインのタクシーは結構わかりやすく、こんな感じの黒と黄色のタクシーらしい。
タイに行ったときは個人タクシーを自分で手配したり、ホテルに紹介してもらったりでした。それよりも観光客目線って感じでしたし、あまりぼったくりされることもなかったです。
これは各地で見たけど、ゴミ箱めっちゃでかいので吹き出しそうになった。
本当になんでこんなにでかいの…笑。
そういえばワンコをよく見かけました。猫ちゃんはあまりですね。野良猫もほとんど見なかったかな。欧州人は犬派なのかもしれません。
❶カサ・ミラ(Casa Milà)
まず訪れたのはここ。カタルーニャ語で呼ばれる「La Pedrera」は「採石場」という意味もあるらしい。スペイン語名で言うと、「Casa」はスペイン語で「家」を表し、つまりここはその名の通り「ミラさんの家」というわけ。
わたしは一般的な建築とかにあまり疎いので、実はこの観光地自体を知らずにきました。ヨーロッパの行き先をスペインに定めたのも、ヨーロッパの中でも世界史に深く関わりのある国で、ベネルクス3国+ドイツツアーとフランスと迷って日程や価格がちょうどいいのがスペインだったからという理由。バルセロナという地名もよく知っていたけれど、実際どういうところかは知らず。
ここはガウディと深く関わりのあるところなんですね。
直線を全く使わず、波打つ曲線をもつモデルニスモの建造物は、地中海やカタルーニャの雪山をテーマに造られています。当時のバルセロナ市民にとってはとても醜悪な建物で「石切り場」と呼ばれていましたが、ガウディが手掛けた個人邸宅では最後の建築で、現在も賃貸マンションには4世代が住んでいます。(カサ・ミラ | アントニ・ガウディの作品群 | 世界遺産オンラインガイド)
家主以外にも賃貸住宅として貸出されていたそうで、今も住めるらしいです。
建築当時は高級住宅だったらしく、それなりのお値段だったそうな。
屋上が見どころの一つなんですが、人が本当に多いので、写真映えは気にしない方がいいです。ぐるりとお散歩できます。
この近辺はフツーの住宅がずらりと並んでいるので、隣の家のわりかし生活感のあるベランダとかが見えます。
ガイドさんから「事前にネットでチケットを予約するように」と言われて来たのですが、9月のオフシーズンであれば一応当日券もあるので焦らずにOKの様子(夏の観光シーズンはきついかも?)。その場合、「General」を1枚オーダーすればOK。入場規制が敷かれてることもあるらしいのですが、9時台朝一番で行ったこともあり、カサミラはあまり待ちませんでした。入場料は25ユーロ、少々お値段します。
わたしの場合、当日必ず行くと決めていたカサミラとカサバトリョ、カタルーニャ音楽堂は事前確保しようとしていたのですが、カサミラだけは決済不能でした。決済方法はこの3つだとカサミラ以外はPayPalがあるのでPayPalをお勧めします。原因はわからないけど、日本のクレカで直接決済だとうまくいかないこともあるみたいです(わたしのルミネカードはダメでした)。
ただし、どのような決済方法を使ってもうまくいかない人はうまくいかなくて、決済保留ののちに数日して支払い完了になってしまうということもあり。結局、決済トラブルを避けるには現地購入になりそうですね。
❷カサ・バトリョ(Casa Batlló)
その名の通り、「バトリョさんの家」。繊維業者のお金持ちの方が依頼し建てられたそう。「バトリョ」というのは現地の言葉としては適切ではないらしいです。「バッリョー」が正しいらしい。「アントニ・ガウディの作品群」として、カサミラやサグラダファミリアと一緒に世界遺産として登録されています。
この真ん中の家がそれ。外観がとにかく独特です。
こちら車窓から撮影した画像ですのでなんかまがまがしいですが。人で常に賑わっています。人気の観光地で、入場にも時間がかかりました。
ユニークな外観が目を引くこの建物のテーマは海。外壁に埋め込まれた色とりどりのガラスモザイクは、地元の会社から譲り受けた廃棄物のガラスや陶器の破片を利用したもので、まさにエコハウス。
ガラスモザイクは陽の光をあびて輝き、まるで海面がキラキラと光っているような光景。建物のファサードが海面で、内部は海底や海底洞窟をイメージしています。ガウディ特有の曲線を随所に見ることができるデザインが外部や各部屋に配されているのが特徴。
淡い色のデザインとユニークな形のバルコニーにパワーを感じる、スペインモデルニスモ建築の代表例とされています。(カサ・バトリョ | アントニ・ガウディの作品群 | 世界遺産オンラインガイド)
カサミラが曲線の家だそうですが、こちらも負けていない。
かわいいが詰まっている、カラフルなおうちです。お土産物屋さんもかわいいので覗いてみると間違いなし。
観光客が多いので、ヘトヘトになりながら観光しましたね。バルセロナは日本と同じくらい暑かったので、観光は大変でした。
確かチケットにランクがあって、高いものは1万円は超えちゃうんじゃないかな。時間もかかると思うので、安いので十分な気もします。見れたとしてもラウンジとかバトリョ私邸とかなので。
わたしは一番安い「BLUE」というランクです。ガウディキューブ(空間デザイナー監修の360°ショー)が見れますが、ガウディドーム(3Dプロジェクションマッピング)は見れないやつ。
かわいい〜!
曲線の木の床、ドアとかも多いんですが、花柄の床とかもあり。
かわいいセンスが光る。
スペインにかわいい文化のイメージは全くなかったんですが、覆りました。かわいい。
スペイン・バルセロナの住宅事情なんですが、やはり賃貸が多いそう。東京と同じですね。
古い建築物を借りながら暮らしている人が多いようです。
バルセロナの有名な通りといえばグラシア通り、ランブラス通りになります。カサミラ・カサバトリョはグラシア通り沿いで、こちらはおしゃれな高級ブランドの立ち並ぶ通り。ランブラス通りはカタルーニャ広場からコロンブスの塔まで続く、屋台や市場に行きやすい通り。ランブラス通り沿いの住民は、近辺が観光客だらけなのを見越してか、窓辺に立って素っ頓狂なコスプレをして観光客を沸かせていました。
❸タパタパ
昼食は「タパタパ」というお店。
これは確かグラシア通り沿いだった気がしますが、ガイドさんお勧めはメインストリートから一本脇に入った通りのお店がランチにはいいそう。その方が混んでないらしいです。
スペインのお昼は遅いので、現地時間に合わせてご飯としました。
そういえばヨーロッパ、ナチュラルにカトラリーがあるのがギャップ感じました。
日本のご飯屋さんで生きている人間ですので、常にカトラリーと紙ナプキンがある生活に感心。ナプキンがあったら膝に乗せるように、と教わったことがありますが、こちらは薄手で小さめの紙ナプキンで、テーブルクロスも引いてないので、基本的には膝などには乗せずカトラリー置き場みたいに使うのが正解っぽい。
❹カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)
建築家でガウディともよく比較される?リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー(Lluís Domènech i Montaner)による、美しいコンサートホール。20世紀の合唱団のために建築されたようです。
こちらの建築家は「サン・パウ病院」も担当したそうです。
なんというか、バルセロナの建築物、病院だのコンサートホールだの、些細な市民生活にも必要なものに有名建築家が携わっていてすごいです。
壮大さでいえばここはマストですが、観光地としてはおすすめではないかな。そんなに入って面白いものがあるわけではないです。とにかく綺麗、それだけって感じ。ガイド付きツアーの人がいたからか、パイプオルガンの演奏?みたいなのがありました。
すぐ近くが綺麗なカフェなので、入ってみたかったな〜。
❺サグラダ・ファミリア(Sagrada Família)
バルセロナ、いやスペイン最大の観光地。ここは別格です。
バルセロナ新市街、100m×100mの正方形に整備された中に堂々と建つサグラダ・ファミリアです。
2026年完成とのニュースがあったそうですが、現地ガイドさんによるとまた延期されたらしい。実際、この下の画像見てると2026年に完成できそうにないですよね。
まだまだ建設中な上に、一部彫刻を担当する彫刻家を選定中であり、難航しているとか。カタルーニャの建築物ですので、バックグラウンドがカタルーニャの方を探しているようです。他にも近くの住人との立ち退きバトルがあったり、なかなかうまくいかないようす。完成が近くなったら立ち退く契約ではあったみたいですが。
これをもっと綺麗に、正面から写すこともできたのですが、中国やアメリカから来たの?って感じのインフルエンサーみたいな身なりの人たちがこぞって写真撮ってたので引いたのでやめました。
この草の辺りは外尾悦郎氏が担当した彫刻。2000年完成の「生誕の門」。よくみると虫がいる。
サグラダファミリアは完成させる順番があり、それがキリストの誕生から再生の順になるということ。
本当に観光客だらけ!
ステンドグラスがあり、昼夜で見せる姿が違うと評判。
こちらは受難の門のあたり。
よくよく彫刻を見てみると、より現代的な作品になっている。こういう大聖堂って、まるまると美しく、より現実に即してっていう感じのものが多いので驚いてしまいますが、キリストの受難をテーマにして制作された彫刻がこういったものになるのは納得。
文章ではうまく表現できませんが、サグラダ・ファミリアがこのように有名なのはわかります。一回行ってみると、その壮大さを前にしてたくさんのインスピレーションが得られると思います。お勧めです。
ガイドさんがいてくれて、たくさん説明してくれたのでよかったです。
あと、ちゃんと早めの時間に行けば、サグラダ・ファミリアで働いている人の様子がきちんとわかるそうです。
バルセロナでは他にも、グエル邸やTablao Flamenco Cordobesに行きました。
フラメンコは最前列をキープ、圧巻でした。
写真はあるものの位置情報をオフにしていたせいで、「ここはどこだっけな」ということが非常に多い。
ええと、多分ラス・ファレラス水道橋です。タラゴナに行く道中、立ち寄りました。雨が降ったら立ち入り禁止のようですが、それも納得の足元の悪さ。現地の社会科見学らしき団体の生徒たち以外は、観光客もまばらでした。
タラゴナやバレンシアは行ったはいいものの、あまり印象がない…。
こちらはタラゴナの有名なローマ時代の円形劇場。
こちらもタラゴナ。ヨーロッパ味を感じてキュンとしました。
これかわいい〜。
水道橋や円形劇場は世界遺産に登録済み。タラゴナはまさしくローマ帝国時代の街であり、その後カトリック教国西ゴート王国の支配下となってからもウマイヤ朝により征服されるまでは栄えていたとか。ウマイヤ朝はイスラム教であり、その後レコンキスタによって12世紀にカタルーニャに取り戻され、キリスト教社会へ復帰。スペインでも伝統のある街だそうです。
ここからはまた移動をして、バレンシアへ。
この辺りで撮影した写真はたくさんあるのですが、ささっと見学しただけなのでいまいち掴みきれず。
こちらはラ・ロンハ・デ・ラ・セダの天井。精巧な彫刻です。ゴシック様式・15世紀建築の絹の商品取引所。バレンシアは当時、強力な経済力を誇っていたとのこと。1ユーロで入場可能。
バレンシア人はプライドが高い、とは現地の方の言葉です。現在の中心地はマドリード、バレンシアは経済を立て直して観光にも力を入れているようですが、街中の観光客はまばらです。
こちらも15時ごろまでにいけば商品取引中に入場できるらしい。
オレンジやワインなどが有名で、お土産も買えそうです。
厳密にいうとトレドはラ・マンチャ地方の一部らしいですが。
この辺りは「ドン・キホーテ」で世界的に有名な場所。カンポ・デ・クリプターナです。ざっと風車を見学しました。
その後、トレドへ。
スペインは割と、街と街の間に田舎があって、車移動する感じです。
うまいこと表現できなくてアレなんですが。都市が独立していて、一つの国かのように感じました。日本の場合、都会も田舎もあるんですが、こうして首都圏に住んでいるとスペインよりかはメリハリのない場所だと感じます。
東京は全面的に都会ですが、ちょっと下ると下町やベッドタウンになるなど、人や建物の本質は違っても数は多い。首都圏から外へ行くほど田舎も多く、たまに地方都市がある。いわばグラデーションの作りをしています。
でもスペインってなんか違う。メインの街(城郭都市)がどんっどんっと各地にあって、その間に自然あふれる田舎がある感じ。もちろんその間っこにある田舎にも村があって、素朴で素敵な生活があるようです。
でも考えてみれば、ですけど。古代ギリシア・ローマの街もそんな感じでしたし、人々が集まって暮らすこと、場合によっては外敵を排除するために高い壁を作ることは自然でしょう。
そんなわけで、トレドも伝統ある城郭都市の一つとして栄えてきたよう。この度で印象深かったのは、意外にもトレドでした。狭い街であまり滞在こそしませんでしたし、極めてキリスト教的な場所でしたが、いるだけで特別な気持ちになれた街でした。
西ゴート王国の首都であり、イスラム・ユダヤ・キリストの文化の融合が見られる場所。16世紀には世界史の教科書にも載っているギリシア人画家エル・グレコが、宮廷画家の夢が破れたのちにトレドに居住し、主要な大聖堂などに絵を描きました。新市街と旧市街があり、メインの観光は旧市街。旧市街はとにかく段差と高低差のある街なので、靴は歩きやすいもの、それから元気が必須です。
この辺りはバレンシアやバルセロナと比べて極めて涼しいです。日本よりかは過ごしやすい感じ。
ひょっこり見える、トレド大聖堂(カテドラル)の鐘楼。
これはなんかの広場。
疲労でヘロヘロでしたので、残念ながらあまり覚えていない…。本当に坂道が多いです。坂道の途中途中に、こんな感じの広場や名所がある感じ。
トレド大聖堂内部、微笑むマリア。微笑むマリアは珍しいそうです。
マリアの両脇にあるのは聖歌隊席。
本当に人が座れる仕様ですが、この手のかかりようはすごい。
上のパイプオルガンはマリアの両脇にあって、様式が違うらしいです。
こちらは祭壇。
日曜午前には礼拝があるため、その準備をしていました。めっちゃでかい。
この辺りはエル・グレコの作品です。
上の写真はどこかにグレコがひょっこり顔をのぞいていると聞いたけど、どこにいるかわからず。
トランスパレンテ。単体で見るのも素敵なんですが、「暗い」という彫刻のために、上に天窓がつけられたそう。この天窓がとっても綺麗です。天窓の奥まで、よくよく確認必須。上部と下部で、作りが違います。
トレド市庁舎。
トレドは3つの宗教の影響を受けた街だそうですが、それは壁を見ると顕著にわかると言います。
下の写真は、手前側と奥側で壁の感じが異なっているのですが、手前のように石も交えて丈夫なように作っているのがキリスト、奥側のような壁がユダヤ教風の作りだとのこと。
本当に立派な城郭都市なんだ〜と感動して撮影しました。高い城壁に囲まれた街です。
見どころ満点でした。
「基本的に新しい街だから、見どころはないよ」とは聞いていたのですが。
まぁ確かに、記憶にはないかも。
オリエンテ広場をぐるっと行く〜。
マヨール広場はご飯屋さんとかが多かった気がする。
早朝で、寒かったなぁ。
スペインは基本的に朝が遅い国だと感じました。人々の生活リズムが遅いというのもあるんですが、そもそも9月であっても6時という時間が相当暗い時間に当たります。それもそのはず、スウェーデンのストックホルムやポーランドのワルシャワと同じ時間を使っているため。1時間程度のズレがあるというか。
スペインの通りの名前は、それぞれ建物にしっかり刻んであります。
普段は使用していない王宮。
あえての側面から撮影しましたが、昼間になるともっと人が多いそう。
この後プラド美術館に行ったのですが、あちらは撮影全面NGですのではしょります。
広い美術館でしたが、全ては見切れなかったので、いつか再チャレンジしたいな。結構日本語も多くて、わかりやすかったです。この辺りになると、マドリードの空港近辺になるので、個人旅行はしやすいかもしれません。
✴︎おわりに✴︎
ツアーだったので色々回る感じで疲れました。疲れたせいもあって、初日のバルセロナ以外はちょっと駆け足みたいなブログになっちゃいましたね。
なんだかんだ個人で回ったところが一番楽しかったので、次からは個人で手配しようかと思う一方、一人ヨーロッパやニッチ・交通手段が少ない観光地に行きたいときはやはりツアーの方がいいかも。トレドなんてどうやって行けるのか、ちょっとわかりません。なんだかんだで次の旅行もツアーになりそうです。
トイレがどこに行っても汚かったり、乾燥が酷すぎてアレルギー性鼻炎のわたしの鼻の中が乾燥しまくりで痛くなったり、泊まったホテルの衛生面が心配になるほどひどかったり…健康衛生面の悩みが多かったです。でも、食べ物は美味しかったし、歴史もたくさん学べて、吸収するものが多い旅となりました。星2つのホテルは2度と泊まりません。せいぜい4つですね。
さて、次はどこに行こうかな。またヨーロッパでの旅行を計画していますが、自分一人旅もしたいかな。
ブログを書くのにとっても時間がかかりましたが、なんとか9月中に滑り込みセーフできましたのでよかったです。