好きなものはブログに書きやすいけれど、嫌いなものって書きにくい。誰かがそれを好きかも、嫌いって書いたら印象良くないかも、という気持ちになってしまう。
でも嫌いだな、好きじゃないな、苦手だな、というものだって堂々と語ってみたい。そんなわけで、好きじゃないものの感想書いていきます。
「ミステリと言う勿れ」。なんかやたら、ネットに生息するおばさまがたから評価の高いアフロ。
冬だか秋だかにドラマやるらしいっすよ。まじかよ。
作者は７SEEDSとかいう作品で有名な漫画家さん。７SEEDSは序盤しか読んでないけどそこそこ面白かった記憶があります。この漫画はやたらミステリ小説や怪奇小説が読みたかったときに無料試し読みで読んで、なぜかはわからないがおそらく惰性で若干買い足した。が、やっぱり苦手なのでボソボソ書いていきます。ちなみに内容はほぼ覚えてない。それくらい少々漫画としてはインパクトや中身がない。
有名でファンの多い漫画家さんで、作品の主張も女性に優しいもので、頭良さそうな言葉をずらずら並べてあるからか人気は高いようですが、やはりちらほら聞こえる「説教くさい」「予定調和」といった感想。本当にそれ。
まず、主人公は理屈で他者を見透かしていくキャラだけど、頭はよくない。ミステリとして読むとここでひっかかる。言ってること全部Twitterで出尽くしたネタばかり。これをありがたがる周囲の大人たちの図が見ていて滑稽。なろう小説まがいが流行っているとはいえ、それを商業誌、しかも女性向けでやるのどうなの？作者が大御所だから、編集部止められなかったのかな。
ちょっとした謎を次々と解決していくみたいなストーリーだったので、ぽんぽんすらすらと、ストーリーとしては楽しく読めるんですけどね。でもこの作品で致命的な箇所は、ミステリになりきれないところ。作者も題名からしてミステリ作品とは考えていないのですが。
読者の穿った見方で大変申し訳ないが、この作者はミステリ作品を描いてみたかったが、できなかったのではないだろうか。正直ミステリとしてみなすにはかなりネタが浅いと感じる。ミステリとなると相応の知識が求められるので、その勉強を面倒がったのでは。つーか、「自分の主張を混ぜ込んで作品を描きたい、でもただ説教くさい漫画は売れない、じゃあジャンルはミステリにしよう、でも情報収集や勉強が不可欠で面倒」みたいな感じで漫画描いてんじゃないの。作者もそれをわかっていて、こんな題名つけているのでは。そもそも、ネタとしているのがネット記事なのだろう。作者5chとか発言小町好きそう。
おそらく、一つ一つのストーリーにネタ元となるネット記事や自らの主張を念頭に置いていて、それにそうようにストーリー展開をしたら、ミステリとしては浅く、「予定調和」と言われてしまう作品が出来上がっているのだと思う。最終的に主人公に小難しい言い回しをさせたり、漫画の演出を簡素にして煙に巻いており、本当は対して練ってない。話の作り方としてはもちろん間違いではないのだけれど。
そうそう、この漫画のこの似て非なるミステリ感も苦手だが、主人公が説教くさいの、作者が自分重ねているようでなんだか嫌だ。女性は大変なの、と言いたがりなのもウザイ。女が色々大変なのは確かにそうだけど、こうして男子大学生の毛皮を借りて言わせるのは興醒め。理屈こねこねの男子大学生がそんなこと言う訳ないじゃん。それから作者と同年代の女性たちが、今の若い女性と比べて同レベルにいるかっていうと違うと思う。若者の勝手な主張で大変申し訳ないが、バブル世代以前の方ですよね。女性が自由ではなかった世代かもしれないが、この世代の人に女性は大変とか主張されるとすごい違和感あるんです。政治家や士業、その他一流企業総合職などの明確に男性社会で苦労している人ならともかく、漫画家・小説家といった文化人って、苦労の種類が異なると思うし、想像にすぎないがおそらくその仕事は性差は大きくないと思う。
女性特有の苦労って色々あるけれど、共働き一択で家庭に入る自由を許されないわたしたち世代は不幸だと思っていますよ。仕事で自己実現したいとか出世したいとか、そんなやりがいある仕事についている人ばかりではないし、そうした社会進出に関する苦労というわけではなく家庭という中での苦労でも、昔の女性ってそんなに苦労してなかったと思っています。作者は今の若い読者の共感を得られるようにセリフや主人公の主張を考えているのかもしれないが、主人公に作者像が被ってしまう時点で無理。親世代の女性に説教されているように感じる……とまではいかないけども、この作者と同じ世代の一般的な女性たちが若い女性と同レベルの水準にいると思って欲しくないな。
色々もっと書きたいことあるけど、とりあえず以上。
